ドイツで性別適合手術を法定健康保険で受けたいとき
まだ私はホルモン治療すら始めていないのですが(予約はしてるけど3ヶ月待ち)、ドイツでSRS費用を法定健康保険に負担してもらう場合の流れをまとめておきます。ドイツで生活して保険に加入していないといけないし、労力的にも時間的にも大変だけど、タダでできるというのは魅力的。
ガイドラインの要約
MDKのガイドライン(前回の記事参照)を要約すると、性別適合手術を受けるための条件としてこんなことが書いてあります:
- 精神科医又は心理カウンセラーの診断
- 併発している症状(特に精神に関するもの)がない、または十分に安定している1
- 精神科または心理カウンセラーでの定期的なカウンセリング(18ヶ月以上)
- 望む性別での生活に慣れていること(18ヶ月以上のリアルライフテスト)
- 6ヶ月のホルモン治療(健康上の理由でできない場合はその証明)
- 強い精神的苦痛があること
- 性別適合手術の術前評価に問題がないこと
このガイドラインはあくまでも推奨なのですが、SRSの費用を保険に負担してもらう場合、上記の条件に合致しているか厳しめに審査されるようです。例えば18ヶ月以上カウンセリングを受けていない場合、多くの場合審査に通らないとのことです。
申請に必要な書類
上記ガイドラインに沿って各々の保険会社が審査に必要な書類を決めています。だいたい下記の書類が要求されるようです。
実際に必要な書類は加入している保険会社に問い合わせてください。
- 精神科医または心理カウンセラーによる詳細なレポート(Ausführlicher Befundbericht)
- (心理カウンセラーに通院した場合)精神科医による追加の見解書(Ergänzend ärztlich psychiatrische Stellungnahme)
- 自分史(Transsexueller Lebenslauf)
- 2名の医師の診断書(2 Gutachten)2
- 内分泌科医の見解書(Stellungnahme vom Endokrinologen)
- 染色体検査(Chromosomeanalyse)
- ホルモン治療前と治療中のホルモン値(Hormonstatus vor und während der Hormontherapie)
- 施術を担当する医師が発行した、手術のリスクについての書類(Arztbrief wegen den Risiken der Operation)
つまり、先に手術してほしいお医者さん3に会って、話を通しておく必要があるということですね。上記の書類を集めて、保険会社に送って、審査がOKだったら、いよいよ手術日を決める段取りになります。お医者さんによって違うみたいですが、だいたい1年~1年半先まで予約がいっぱいのようです。つまり、カウンセリングからSRSまでだいたい3年はかかる計算ですね。
と、ここまでまとめてみたけど、私はそこまでやるかまだ分からないかな。胸は欲しいけど、自分の下半身に対してそこまで嫌悪感があるかと言われればそうでもないというか。けど、日本に帰ったとき温泉とか入りたいしなー。悩ましい。